「和歌山の実家を相続したくない」 「田舎の土地をもらっても困る」 「管理できないし、売れないし、どうすればいいの?」

そんなお悩みを抱える方が増えています。

相続したくない不動産がある場合、相続放棄相続土地国庫帰属制度という2つの選択肢があります。

本記事では、和歌山の実家を相続したくない場合の対処法を詳しく解説します。


なぜ「相続したくない」のか

よくある理由

理由詳細
管理が大変遠方に住んでいて定期的に通えない
固定資産税がかかる使わないのに毎年税金だけ払い続ける
売れない過疎地域で買い手がつかない
解体費用が高い古い建物の解体に100万円以上かかる
近隣トラブルが心配空き家のまま放置すると草木が繁茂して苦情が来る
借金がある親に借金があり、相続すると借金も引き継いでしまう

和歌山特有の事情

和歌山県は空き家率が全国でも上位(約21%)です。特に以下の地域では、相続しても活用が難しいケースが多いです。

  • 紀南地域の山間部
  • 過疎が進む農村地域
  • 旧耐震基準の古い住宅
  • 接道条件が悪い土地
  • 急傾斜地にある土地

選択肢①:相続放棄

相続放棄とは

相続放棄とは、家庭裁判所に申述して、相続人としての地位を放棄することです。

相続放棄をすると、最初から相続人でなかったことになります。

相続放棄の効果

効果内容
プラスの財産を相続しない不動産、預金、株式など
マイナスの財産も相続しない借金、ローン、保証債務など
遺産分割協議に参加しない他の相続人だけで協議
相続税の対象外相続税はかからない

相続放棄のメリット

メリット内容
借金を相続しない被相続人の借金から解放される
固定資産税の負担なし相続しなければ課税されない
手続きが比較的簡単家庭裁判所への申述で完了
費用が安い収入印紙800円+戸籍等の取得費用

相続放棄のデメリット

デメリット内容
他の財産も放棄預貯金など欲しい財産も放棄することに
3か月の期限相続を知った日から3か月以内
撤回できない一度放棄すると原則撤回不可
管理責任が残る場合現に占有している場合は引渡しまで管理責任あり
次順位に相続が移る子が放棄すると親、親が放棄すると兄弟姉妹へ

相続放棄の期限

相続放棄ができる期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。

ケース起算点
通常被相続人が亡くなったことを知った日
後から相続人になった場合先順位の相続人が放棄したことを知った日
財産調査に時間がかかる場合期間伸長の申立てが可能

**3か月を過ぎると原則として相続放棄できません。**早めの判断が必要です。

相続放棄の申述先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述します。

和歌山家庭裁判所の管轄

相続放棄の必要書類

書類備考
相続放棄申述書裁判所のホームページからダウンロード
被相続人の住民票除票最後の住所を証明
被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
申述人の戸籍謄本相続人であることの証明
収入印紙800円申述書に貼付
郵便切手裁判所により金額が異なる

相続放棄の注意点

1. 相続財産を処分してはいけない

相続放棄をする前に、相続財産を処分すると単純承認したとみなされ、相続放棄ができなくなります。

単純承認とみなされる行為の例:

NG行為内容
預金の引き出し被相続人の口座から引き出して使う
不動産の売却相続不動産を売却する
借金の返済被相続人の借金を返済する
高価な形見分け高額な遺品を持ち帰る
解約手続き賃貸借契約の解約など

OK行為(単純承認にならない):

OK行為内容
葬儀費用の支払い社会的に相当な範囲での葬儀費用
遺品の整理経済的価値のない遺品の処分
現状維持の管理建物の応急修理、草刈りなど

2. 次順位の相続人への影響

子が全員相続放棄をすると、相続権は次の順位の相続人に移ります。

順位相続人
第1順位子(代襲相続人含む)
第2順位直系尊属(親)
第3順位兄弟姉妹

子が放棄すると親へ、親も放棄すると兄弟姉妹へ相続権が移ります。

相続放棄をする場合は、他の親族にも連絡しておくことをおすすめします。

3. 管理責任が残る場合がある

相続放棄をしても、相続財産を現に占有している場合は、相続財産清算人に引き渡すまで自己の財産と同一の注意をもって保存する義務があります(民法940条)。

例えば、被相続人と同居していた場合や、鍵を持っている場合などは、すぐに管理責任から解放されるわけではありません。


選択肢②:相続土地国庫帰属制度

相続土地国庫帰属制度とは

2023年4月27日から始まった新しい制度で、相続した土地を国に引き渡すことができます。

相続放棄と違い、土地だけを手放すことができる点が特徴です。

制度創設の背景

所有者不明土地問題の解決のため、相続した土地を手放せる制度として創設されました。

相続土地国庫帰属制度の効果

効果内容
土地の所有権が国に移転管理責任から解放される
土地以外の財産は相続できる預貯金などは相続可能

相続放棄との違い

項目相続放棄相続土地国庫帰属制度
対象すべての相続財産土地のみ
効果相続人でなくなる土地の所有権を国に移転
費用約800円審査手数料14,000円+負担金
期限3か月以内期限なし
他の財産すべて放棄土地以外は相続できる
建物建物も放棄建物がある土地は対象外
申請先家庭裁判所法務局

制度を利用できる人

利用できる人
相続または遺贈により土地を取得した人
相続人(法定相続人であれば、遺言で取得した場合も含む)

売買などで取得した土地は対象外です。

申請先

土地の所在地を管轄する法務局に申請します。

和歌山県内の土地は、**和歌山地方法務局(本局)**に申請します。

費用

費用金額
審査手数料14,000円(土地1筆あたり)
負担金原則20万円(面積や地目により変動)

負担金の目安

土地の種類負担金
宅地、田、畑(面積にかかわらず)20万円
森林面積に応じて算定(例:3,000㎡で約27万円)
その他(雑種地等)20万円

制度の要件

引き取れない土地(却下事由)

以下に該当する土地は、申請が却下されます。

却下事由内容
建物がある土地建物を解体しないと申請できない
担保権・使用収益権が設定されている抵当権、地上権、賃借権など
他人の利用が予定されている通路、墓地、境内地など
土壌汚染されている有害物質で汚染されている
境界が明らかでない境界紛争がある
所有権の存否・範囲に争いがある訴訟中など

引き取れない土地(不承認事由)

審査の結果、以下に該当する場合は不承認となります。

不承認事由内容
崖がある管理に過分の費用・労力がかかる崖
管理を阻害する工作物等がある廃屋、車両、樹木など
管理を阻害する車両等がある放置車両など
訴訟に巻き込まれるおそれ隣地との紛争など
その他、通常の管理に過分の費用・労力がかかる

手続きの流れ

① 法務局への相談(事前相談)

② 申請書の作成・提出

③ 法務局による審査(実地調査含む)

④ 承認・負担金の納付

⑤ 国庫帰属(所有権移転)

審査には半年〜1年程度かかることがあります。

必要書類

書類内容
承認申請書法務省のホームページからダウンロード
土地の位置・範囲を示す図面公図の写しなど
土地の形状を示す写真土地の現況写真
相続を証する書面戸籍謄本、登記事項証明書など
その他法務局が求める書類

相続土地国庫帰属制度の注意点

1. 建物がある場合は解体が必要

建物がある土地は対象外です。建物を解体してから申請する必要があります。

解体費用の目安:

  • 木造30坪:90万円〜150万円
  • 解体費用は自己負担

2. 共有の場合は全員で申請

共有の土地の場合、共有者全員で申請する必要があります。

ただし、共有者の一部が相続以外で取得していても、相続で取得した共有者がいれば申請可能です。

3. 農地の場合

農地も対象になりますが、農業委員会への届出など、追加の手続きが必要な場合があります。


どちらを選ぶべき?

ケース別のおすすめ

ケースおすすめ理由
借金がある相続放棄マイナスの財産も相続しない
財産全体がマイナス相続放棄すべて放棄した方が良い
土地だけ手放したい相続土地国庫帰属制度預貯金は相続できる
建物がある相続放棄 or 解体して国庫帰属国庫帰属は建物解体が必要
3か月を過ぎた相続土地国庫帰属制度相続放棄は期限切れ
すでに相続登記をした相続土地国庫帰属制度相続放棄はできない

フローチャート

借金がある?

├─ はい → 相続放棄を検討

└─ いいえ

預貯金など欲しい財産がある?

├─ はい → 相続土地国庫帰属制度を検討

└─ いいえ → 相続放棄を検討

3か月以内?

├─ はい → 相続放棄

└─ いいえ → 相続土地国庫帰属制度


第3の選択肢:相続して売却・活用

「相続したくない」と思っても、売却や活用ができる可能性もあります。

売却を検討

方法内容
不動産会社に依頼仲介で買主を探す
買取業者に依頼仲介より安くなるが確実に売れる
空き家バンクに登録市区町村のマッチングサービス
隣地所有者に声をかける隣地なら需要があることも

和歌山の空き家バンク

和歌山県内の多くの市町村で空き家バンクを運営しています。

  • 和歌山市空き家バンク
  • 田辺市空き家情報バンク
  • 新宮市空き家バンク
  • その他各市町村

活用を検討

活用方法内容
賃貸リフォームして貸し出す
民泊観光地近くなら民泊も
太陽光発電日当たりの良い土地なら
駐車場市街地近くなら

売却・活用の可能性を検討した上で、それでも難しければ相続放棄や国庫帰属を選択するのも一つの考え方です。


当事務所のサポート

当事務所では、「相続したくない」というお悩みに対して、最適な選択肢をご提案します。

サポート内容

サポート内容
相続放棄申述書の作成、戸籍収集、家庭裁判所への提出
相続土地国庫帰属制度申請書の作成、必要書類の収集、法務局との調整
相続登記売却・活用する場合の名義変更
総合的なアドバイスどの選択肢が最適かをご提案

費用の目安

手続き費用目安
相続放棄司法書士報酬3〜5万円+実費
相続土地国庫帰属制度司法書士報酬+審査手数料14,000円+負担金20万円〜

対応エリア

和歌山県全域に対応しています。オンライン相談・郵送対応も可能です。

和歌山出身の司法書士が対応

私自身、和歌山県の出身です。和歌山の土地事情を理解した上で、最適な選択肢をご提案します。

「和歌山の実家を相続したくない」という方は、お気軽にご相談ください。

初回相談は無料です。


まとめ

選択肢特徴
相続放棄すべての財産を放棄、3か月以内、借金も相続しない
相続土地国庫帰属制度土地だけ手放す、期限なし、費用がかかる
売却・活用現金化できる可能性、まずは査定を

「相続したくない」と思ったら、まずは専門家に相談することをおすすめします。

状況に応じた最適な選択肢をご提案いたします。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の案件についてはご相談ください。