和歌山の空き家を相続したら?管理・売却・解体の選択肢
「和歌山の実家を相続したけど、誰も住む予定がない」 「空き家のまま放置しているが、どうすればいいかわからない」
和歌山県は全国でも空き家率が高い地域の一つです。相続をきっかけに空き家を抱えることになった方に向けて、空き家の管理・売却・解体の選択肢と、活用できる制度について解説します。
和歌山県の空き家の現状
和歌山県の空き家率
総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によると、和歌山県の空き家率は約21%で、全国平均(約14%)を大きく上回っています。
全国の都道府県の中でも上位に位置しており、空き家問題は深刻です。
空き家が増える原因
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 人口減少・高齢化 | 特に山間部、沿岸部で顕著 |
| 相続による取得 | 親が亡くなり実家を相続するが、住む人がいない |
| Uターンしない子世代 | 大阪など都市部で生活基盤ができている |
| 売却が難しい | 需要がなく買い手がつかない |
空き家を相続したときの選択肢
空き家を相続した場合、主に以下の選択肢があります。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ① そのまま所有(管理) | 判断を先延ばしにできる | 固定資産税、管理費がかかる |
| ② 売却する | 現金化できる、管理から解放される | 買い手が見つからない場合も |
| ③ 賃貸に出す | 収入が得られる | リフォーム費用、借り手探しが必要 |
| ④ 解体して更地にする | 管理が楽になる、売りやすくなる場合も | 解体費用がかかる、固定資産税が上がる |
| ⑤ 相続放棄する | 一切の責任から逃れられる | 他の財産も放棄、管理責任が残る場合も |
| ⑥ 相続土地国庫帰属制度 | 土地を国に引き渡せる | 建物がある場合は解体が必要、費用がかかる |
① そのまま所有する(管理を続ける)
空き家の管理で必要なこと
| 管理項目 | 内容 |
|---|---|
| 定期的な換気・通水 | 建物の劣化防止 |
| 草刈り・庭木の剪定 | 近隣への迷惑防止 |
| 郵便物の整理 | 空き家であることを悟られないため |
| 建物の点検 | 雨漏り、害虫、不法侵入の確認 |
空き家を放置するリスク
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 特定空家に指定される | 行政から改善命令、最悪の場合は強制解体 |
| 固定資産税の優遇がなくなる | 住宅用地特例が適用されなくなり税額が上がる |
| 近隣トラブル | 草木の繁茂、害虫、倒壊の危険 |
| 損害賠償責任 | 倒壊や落下物で他人に損害を与えた場合 |
空き家管理サービス
自分で管理できない場合、空き家管理サービスを利用する方法もあります。
月額数千円〜1万円程度で、定期的な巡回・換気・報告をしてもらえます。
② 売却する
売却の流れ
① 相続登記(名義変更)
↓
② 不動産会社に査定依頼
↓
③ 媒介契約の締結
↓
④ 売却活動
↓
⑤ 売買契約の締結
↓
⑥ 決済・引渡し・登記
ポイント:相続登記が必要
空き家を売却するには、まず相続登記をして名義を変更する必要があります。被相続人名義のままでは売却できません。
和歌山の空き家の売却事情
和歌山県内でも、地域によって売却の難易度は異なります。
| 地域 | 売却のしやすさ |
|---|---|
| 和歌山市中心部 | 比較的売りやすい |
| 海南市・岩出市・紀の川市 | 需要あり |
| 橋本市 | 大阪へのアクセス良好で需要あり |
| 有田市・御坊市・田辺市 | 地域による |
| 山間部・過疎地域 | 売却が難しい場合が多い |
売れない場合の対策
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 価格を下げる | 相場より安くして買い手を探す |
| 空き家バンクに登録 | 市区町村が運営する情報サイトに掲載 |
| 不動産買取業者に依頼 | 仲介より安くなるが確実に売れる |
| 隣地の所有者に声をかける | 隣の土地と一体化できる場合、需要があることも |
空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売却した場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 被相続人が一人暮らしだった | 相続直前に被相続人以外に居住者がいなかった |
| 昭和56年5月31日以前に建築 | 旧耐震基準の建物 |
| 相続から3年以内に売却 | 相続開始日から3年を経過する年の12月31日まで |
| 売却価格が1億円以下 | 売却代金の合計が1億円以下 |
| 耐震リフォームまたは解体 | 耐震基準を満たすか、解体して更地で売却 |
この特例を使えば、譲渡所得税を大幅に軽減できます。詳しくは税理士にご相談ください。
参考:国税庁ホームページ
③ 賃貸に出す
賃貸のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 家賃収入が得られる | 借り手が見つからない場合も |
| 建物の劣化を防げる | リフォーム費用がかかる |
| 固定資産税の負担を軽減できる | 管理の手間がかかる |
リフォーム費用の目安
| 内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 水回り(キッチン、風呂、トイレ) | 100万円〜300万円 |
| 内装(壁紙、床) | 50万円〜150万円 |
| 外装(屋根、外壁) | 100万円〜200万円 |
古い空き家の場合、リフォーム費用が高額になり、採算が合わないこともあります。ここは得意な不動産業者に相談されるのがベターです。
④ 解体して更地にする
解体のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 管理が楽になる | 解体費用がかかる |
| 更地の方が売りやすい場合も | 固定資産税が上がる(住宅用地特例がなくなる) |
| 特定空家の指定を回避 | 解体しても売れない場合も |
解体費用の目安
| 構造 | 坪単価 | 30坪の場合 |
|---|---|---|
| 木造 | 3〜5万円 | 90万円〜150万円 |
| 鉄骨造 | 5〜7万円 | 150万円〜210万円 |
| 鉄筋コンクリート造 | 6〜8万円 | 180万円〜240万円 |
※立地条件、付帯工事(ブロック塀、庭木など)により変動します。あくまで目安です。
固定資産税の注意点
建物を解体して更地にすると、住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が上がります。
| 状態 | 固定資産税(土地) |
|---|---|
| 建物あり(住宅用地) | 最大1/6に軽減 |
| 更地 | 軽減なし(最大6倍になる場合も) |
解体する場合は、固定資産税の影響も考慮して判断しましょう。
和歌山県内の解体補助金
一部の市町村では、空き家の解体に対する補助金制度があります。
| 市町村 | 制度名 | 補助内容 |
|---|---|---|
| 和歌山市 | 老朽危険空家除却補助金 | 解体費用の一部を補助 |
| 海南市 | 空家除却補助金 | 上限あり |
| 田辺市 | 老朽危険空家除却事業補助金 | 解体費用の一部を補助 |
※制度は変更される場合があります。各市町村の窓口にお問い合わせください。
⑤ 相続放棄する
空き家を含めて一切の相続財産を放棄する方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 借金も相続しない | 預貯金など他の財産も放棄 |
| 固定資産税の負担なし | 3か月以内の期限あり |
| 現に占有している場合は管理責任が残る |
相続放棄については、「和歌山で相続放棄する方法」の記事で詳しく解説しています。
⑥ 相続土地国庫帰属制度
2023年4月から始まった制度で、相続した土地を国に引き渡すことができます。
制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 相続または遺贈により取得した土地 |
| 申請先 | 法務局 |
| 費用 | 審査手数料14,000円+負担金(原則20万円) |
| 要件 | 建物がないこと、担保権がないこと、など |
注意点
- 建物がある場合は解体が必要
- 土地の状態により引き取ってもらえない場合がある
- 審査に時間がかかる(半年〜1年程度)
「売れないけど手放したい」という場合の選択肢として検討できます。誰も引取り手がない土地だと難易度はやや高いように思います。
空き家バンクの活用
空き家バンクとは
空き家バンクは、市区町村が運営する空き家情報のマッチングサービスです。
空き家を売りたい・貸したい人と、空き家を探している人をつなげます。
和歌山県内の空き家バンク
| 市町村 | 空き家バンク |
|---|---|
| 和歌山市 | 和歌山市空き家バンク |
| 海南市 | 海南市空き家バンク |
| 岩出市 | 岩出市空き家バンク |
| 紀の川市 | 紀の川市空き家バンク |
| 橋本市 | 橋本市空き家バンク |
| 有田市 | 有田市空き家バンク |
| 田辺市 | 田辺市空き家情報バンク |
| 新宮市 | 新宮市空き家バンク |
各市町村のホームページから登録・閲覧ができます。
参考:和歌山市ホームページ
空き家の相続でまず必要なこと
1. 相続登記をする
空き家を売却するにも、解体するにも、まず相続登記をして名義を変更する必要があります。
2024年4月から相続登記が義務化されているため、放置せずに手続きを進めましょう。
2. 今後の方針を決める
「売却するのか」「賃貸に出すのか」「解体するのか」——方針を決めることが大切です。
方針が決まらないまま放置すると、建物の劣化が進み、選択肢が狭まってしまいます。
3. 専門家に相談する
空き家の対応には、様々な専門家が関わります。
| 相談先 | 相談内容 |
|---|---|
| 司法書士 | 相続登記、相続放棄 |
| 税理士 | 相続税、譲渡所得税、3,000万円控除 |
| 不動産会社 | 売却、賃貸 |
| 解体業者 | 解体費用の見積もり |
| 市区町村 | 補助金、空き家バンク |
当事務所のサポート
当事務所では、和歌山の空き家の相続に関する手続きをサポートしています。また、必要に応じて各種専門家を複数ご案内させて頂きます。
サポート内容
- 相続登記(空き家の名義変更)
- 相続放棄の申述
- 遺産分割協議書の作成
- 相続土地国庫帰属制度の申請サポート
- 専門家のご案内
和歌山出身の司法書士が対応
私自身、和歌山県の出身です。和歌山の空き家事情を理解した上で、最適な選択肢をご提案します。
「空き家をどうすればいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
| 選択肢 | ポイント |
|---|---|
| そのまま所有 | 管理費・固定資産税がかかる、放置はリスク大 |
| 売却 | 相続登記が必要、3,000万円控除の活用も |
| 賃貸 | リフォーム費用と採算のバランス |
| 解体 | 解体費用と固定資産税増加に注意 |
| 相続放棄 | 他の財産も放棄、3か月以内の期限 |
| 国庫帰属制度 | 建物解体が必要、費用がかかる |
和歌山の空き家を相続された方、空き家の対応でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の案件についてはご相談ください。